1組目が行ってから、もう20分は経っただろうか。 「ね、ねぇ…さすがにちょっと遅くない?」 飛鳥が焦ったように声を上げた。 ─ピリリリリリ!! 甲高い音に肩が飛び上がる。 「山本からだ・・・」 1組目は山本くんと川津さんペア。皆が息を呑んで張りつめた空気になる。 『朝比奈!ねーよそんな絵。つーか絵自体見つからねえ。とっくに買い取られてたんじゃねえの?』 「えっ…えー!!ないのか!?それっぽいやつ一枚も?」 どうやら、その例の絵は見当たらないようだ。よかった…。 『─え・・・』