目が合うと女はこくりと頷いた。驚いているようだったが、木の上で過ごす俺を奇異の目で見るでもなく、笑いかけてくれた。
「木の上から降りてきてくださいませんか?お話がしたいです」
「…」
おかしな女だ。異形と話がしたいなど。しかし人間に興味のあった俺はそれを受け入れた。間近で見ると、女は大層綺麗な見目をしていた。
「ヨウコといいます。あなたの名は?」
「常盤だ」
「常盤さん。一緒に歩きませんか?」
俺とヨウコは行動を共にした。俺が顕現できるのは、夏の間だけ。つかの間の夢、まるで白昼夢のようだった。
「ねえ、常盤さん。明日の夜、花火をやりませんか?」
「花火?」
