写真に写ったヨウコと、俺が実際会ったヨウコはかなり身の丈も振る舞いも違うようだったが面影がどうにもなつかしく、情けなくも心が揺れた。
─そうだ。あの日も俺は、ひとりを嘆いていた。お師匠様、兄弟子らと離ればなれになった不甲斐なさと悲しみで。それでも現状は変わらないと、俺は開き直りひとり自由に生きると決めたのだ。名と身ひとつあれば、生きられる。
夏は好きだった。人を見るのも好きだった。すぐにころころと顔色を変え、弱く脆く情けない生き物だったが、同時に美しいとも思った。
ヨウコと出会ったのは、そんな自分の考えに気づき始めた頃だ。
「いい天気だ」
快晴の空に向かってうわごとのように呟いた。いつも、木の上に座り込んでは、雲が過ぎるのを眺めていた。夏の間しか、俺はこうしていられない。
「誰か、いるの?」
驚いたような声が足元からし、俺も驚き下を向いた。─人間だ。
「お前、見えるのか?」
