すんでのところでお母さんに抱きとめられる。 「杏子・・・杏子・・・あぁ・・・ごめんなさい」 お母さんの両腕が私の背に回る。 ああ、泣かないでお母さん。 そう言いたいのに、声が出なかった。 どんどん遠のいていく意識。 私はそのまま、気を失った。 ───────・・・ ────────・・・ 『待て小娘!貴様、高貴なる私に向けてなんだその態度は』 ・・・夢だ。今度こそ、夢。 だから妖怪が出てくるんだ。