「ねえねえ椎名さん」 教室に着くと、女の子たち数人が私の腕をつかんで廊下に引っ張り出した。な、なんだなんだ。 「え、なに?」 数人の女の子に囲まれた。みんなちょっと厳しい顔をしている。私、なんかやばいことでもしたんだろうか。 「椎名さんってさ・・・その」 髪にリボンをつけた、ふんわりした巻き髪のきれいな女の子がもごもごと喋りだす。 「神崎君と付き合ってたりするっ?」 「は…え?」 固まっていた頭が数秒後に理解して、私は風の如く否定する。 「ないない!!」 「本当に?何も無いの?」