はらり、ひとひら。



「うつるんだ、この呪いは」


あ、と頭の中で合点がいく。だから・・・あの時神崎君は叫んだ。これも、彼の優しさだったんだ。



「─わかった」


私たちは、小指を絡めあった。




「じゃあ、また」


手を挙げた神崎くんと灯雅さんが見えなくなるまで私と師匠は見送りつづけた。絶対、助けよう。


人に仇名す妖は、私が許さない。