「日はまだあるが悠長にもしていられん。とにかく安静にすることだな」 「うん。ありがとう」 神崎君は師匠に向かって微笑んだ。 「椎名さんも、ありがとう。なんだか助けられてばっかりだね、俺」 「そんなことない!仲間が助け合うのは当然だもん。それに、神崎君も私を助けてくれたし…力になれるかわからないけど、私頑張るよ」 神崎君の腕は、絶対失くさせたりしないんだから。 「…約束して」 神崎君は右手を差し出した。 「危なくなったら、俺に構わず逃げていいから。あと、俺の左腕には絶対触れないで」