「生意気な餓鬼め。名は?」 「神崎真澄。こっちは灯雅」 彼が淡々と説明すると、師匠はさらに警戒心を強め、「こっちへ来い」と私に来るよう促した。とにかく師匠に会えたことにいたく安心して、白い毛に抱き着いた。 「神崎・・・?あの神崎か?妖退治の」 「ああ」 「胡散臭い餓鬼だな。…狐でも化けているようだ」 狐はあなたじゃん。 「師匠違うよ、神崎くんは優しい人なの。神崎くんが来なかったら私、今頃食べられてた。…命の恩人なの」