「影に紛れて移動もできる、空も飛べる。私は妖だから鳥目じゃないし、夜目も効くんだ」 「へぇ・・・」 「あんたの式神は、あの化け狐なんだろう?」 えっ?師匠を知ってる?目をぱちくりすると灯雅さんは笑った。 「はは、図星だね。この間偶然会ってね。真っ白い狐に」 「そ、そうなの」 じゃあ、師匠も灯雅さんを知っているんだろうか。 「─探したぞ杏子」 一瞬で冴えた空気が辺りを凍てつかせる。この匂い、気配、間違いない。 「師匠!」