二人で一番前に乗り込む。
『まもなく発車しまーす!』
アナウンスが響く。
そして動き出す。
ゆっくりと登っていき、急降下!
ふと隣のシイを見ると初めてのジェットコースターに大興奮していた。
「洋子!またこれ落ちるのか?!」
すごく楽しそうだ。
「洋子!あれなんだ?」
シイが指差す先には城があった。
このジェットコースター、最後に城に突っ込むのだ。
城の中は真っ暗になっていて、城を抜けたとたんに真っ逆さま。
これがこのアトラクションの人気の理由だった。
城が目前まで見えてきた。
客たちからおこる悲鳴。
私たちは城に突っ込んでいった。
真っ暗な中を駆け抜ける。
前方に光が見えた。
光の中に突き進む。
乗客から沸き起こる歓声。
暗闇を抜けた私たちの目の前には、外の景色が広がっていた。
ここはにゃんだーランドを一望できる一番高い場所と言われている。
そして景色を見たあと急降下。
『ご乗車ありがとうごさいましたー、安全バーから手を離し、係の者が行くまでその場でお待ちください。』
アナウンスが流れる。
「楽しかったー!ね、シイ…」
隣のシイの方を見る。
「あ…れ…?」
隣にいるはずのシイの姿がない。
「シイ…?」



