兄貴の背中を慌てて追いかける俺とキリさん。
兄貴は物凄いスピードで廊下を走り抜け、中庭が見える窓の前でピタリと止まった。
「そんな…」
兄貴は窓を開け、裸足のまま中庭に入っていった。
兄貴の見つめる先には、横たわる梅雨さんがいた。
「…梅雨!!」
兄貴は梅雨さんにかけより、体を抱き抱えた。
俺は一歩も動くことが出来ず、兄貴と梅雨さんの姿を見ていた。
キリさんも俺の隣にいて、ずっと動かなかった。
「どうして…どうして梅雨が…」
静まり返った中庭に、兄貴の声が静かに響く。
「どうして…」
兄貴が梅雨さんの体を強く抱き締める。
俺もキリさんも、兄貴に声をかけることなんて出来なかった。
「兄貴…」



