ギンに別れを告げ、俺は時雨を探し始めた。 時雨…どこにいるんだ。 きっと洋子も時雨の近くにいるはず。 それに、あいつなら大丈夫だとは思うが灰音の行方も気になる。 一瞬、ギンの顔が脳裏に浮かんで消えた。 また、俺はギンを救えないのか。 ダメだ、振り返っちゃ。 早く洋子とこんなところ出よう。 早くしないと飲まれそうだ。 俺は目の前の引き戸を開けた。 俺の目に飛び込んで来たのは、懐かしい顔たち。 「遅っせぇーよ、シイ!」