一口飲むと、視界が揺れた。 「え…?」 頭がくらくらする。 私、どうしちゃったんだろう。 「大丈夫ですか、洋子。」 お兄ちゃんが私の体を支えた。 「うん…なんだか眠くて…」 「ベッドに横になっていなさい。」 お兄ちゃんは私をベッドに運んだ。 「洋子…覚えていますか。明日がなんの日か。」 「あした…?」 明日は…そうだ。 お父さんの命日。 薄れる意識の中で、お兄ちゃんの声が耳に残る。 「ずっとこの日を待っていた。」