「お兄ちゃん、誰…?」
「誰でもいいだろ。お前こそなんなんだよ。」
「僕は、隼人。僕は強くならなくちゃいけないの。」
隼人…やっぱりこいつは早月が作り出したバケバケだ。
本人が気がついてないせいもあるが暴走し始めてる。
「僕は完璧にならきゃ…!」
バケバケが腕を動かすと、黒い針のようなものがこちらに向かって飛んできた。
全部まではかわしきれず、数本が足に刺さる。
しかし全く痛くない。
助かった…攻撃タイプのバケバケではないようだ。
それにしても…まだやっぱり体が動かしづらい。
早くバケバケの体に慣れないと…それに、手に入れた能力がどんなものかも分からない。
人間からバケバケになったのなんて初めてだし、元の能力と同じものかもわからない。
とりあえず慣れないと…
「僕は…強くなるんだ!」
バケバケの手から再び黒い針が放たれる。
さっきの攻撃と軌道は大体同じ…これならかわせる…!
しかし、おれの足は全く動かなかった。
「どうして…」
まさか、さっき足に刺さった針が…
考える間も無く、針が上半身を貫く。
やはり痛みはないが、今度は上半身が動かない。
「これで…終わりだよ。」
バケバケはさっきより太い針を手に俺に近づいてくる。
「クソッ…‼︎」
体が動かない…
バケバケの針の先がこちらを向く。
「ばいばい。眼鏡のお兄ちゃん。」
「桜木くん…!」
「…⁈」



