私達が目の前にしてるのは、






 でっかい家だった。


 表には、「篝」としっかり書いてある。

 「まさか、」

 「そう、俺の家。今夜は覚悟しとけよ、このハッタリ弓亜」







 

 どうやら私は、やっぱり詐欺師に振り回される運命なんだな。


 

 けれど最初と違う。

 この振り回されが、自分で望んでいるという事。




 それと、この振り回しの張本人を驚くぐらい愛しているという事。
 それは後で言おう。

 こいつ向けに、ちょっとだけ騙してやりたいんだ。
 愛しているという証拠は、それでいい筈。





 その時の彼の顔を、私は見て見たいから。