可愛い小さな唇を、ほんの少し尖らせる。 「あ……ゴメン」 友梨の態度に、つい、和音の態度も、少しだけくだけた。 友梨は和音に傘を渡すと、嬉しそうに微笑って。 「見て?これ」 と、言って、右腕の肘にかけていた紙袋を開いて見せた。 中に入っていたのは、全長10センチ足らずの、小さな雪だるま。 「スノーマン。リズが見たいって言うから、急いで作ってみたんです。私、今左手に包帯が巻かれているのですけど、その割には上出来!」 そう言って友梨は、悪戯な瞳を和音に見せた。