「でもマノンは簡単に利用させてくれるヤツじゃないでしょ?」

「そりゃそうだ。利用した後、喰らうのがオチだな」

「恐ろしい人ですね」

アハハと苦笑するアオイを見ながら、マカは二度目のため息をついた。

「アレは簡単には心を許さないだろう。私の対であり、あの両親の子供なんだからな」

「…でもマサキさんもカノンさんも、今は動けないんでしょう?」

「監禁しているからな。絶対に何もできないように閉じ込めている」

元々マノンがよみがえったのも、あの両親の身勝手からだった。

自分の死んだ子供を近くにいてほしいと望んだ母親と、それに加担した父親。

今思い出しても、苦々しい思いだ。

「でもさ、原因はマカにもあるんじゃない?」

「何がだ? 言っとくが二人の側にいられなかったのは、祖父のせいだぞ? 生まれてすぐ、引き離されたんだからな」