私が音楽室に入って最初にすること。


挨拶をしながら遼ちゃんを捜しちゃうんだ。


知らないうちに私の癖になってた。



今日はまだ来てないみたい。


いつも窓際に腰を掛けて笑ってる遼ちゃんの姿がない。


出欠をとり終えても遼ちゃんは来なかった。




どうしたんだろう。

今日は休みかな…。


寂しい気持ちになったとき、後ろから声をかけられた。

「北島さん、ちょっといい?」



二年生の矢野先輩と佐藤先輩だった。


クラリネットの先輩たちがなんの用だろう…。



私は先輩たちに連れられて音楽室から離れた教室に入った。