家に帰ると、おばあちゃんがじゃがいもを蒸かしてた。


そうか、今日はおじいちゃんの月命日。


おばあちゃんは毎月おじいちゃんの月命日に蒸かしイモをつくる。


きっと、おじいちゃんの好物だったんだろうな。





私はおじいちゃんに会ったことがない。


私が生まれる前に病気で死んでしまった。





おじいちゃんて、どんな人だったのかな…。



「ねえ、おばあちゃん。おじいちゃんてどんな人だったの?」


「優しくて、真っ直ぐな人」





おばあちゃんの声が、とても温かく感じた。


蒸し器から出る湯気が、おばあちゃんを包んでるように見える。




変わらない想いもあるんだな‥。





心の中がほっと温かくなり、

私はそのままソファで眠ってしまった。