「へたくそ!」

「ひど~い!小川先輩の教え方が悪いんだよ!」

「おまえなぁ~」



ブラバンに入部して三週間。

私は17歳の遼ちゃんに少しずつ慣れてきた。




17歳の遼ちゃんは、

見上げなきゃ目を合わせられないくらい背が高くて、


黒い学ランが似合ってる。




幼い頃の遼ちゃんは私に優しかったけど、

今の遼ちゃんは少し意地悪。






あの頃と変わらないのは、



陽が当たると赤茶色に見える黒い髪。


笑ったときに表れる右頬の笑窪。