こいつら杏里に比べたら存在感ねーし、 杏里は読モやってるとかで週一に東京行くってさ。

 風花はなんだかイライラした顔で杏里を見てる。

 風花は割かし綺麗なんだけど、杏里には負けるね。

 杏里はとにかくめちゃ可愛いんだってーの!

 で、そんな杏里にオレもしっかり恋に落ちちゃったみたいっす。(笑)

 オレは彼女とか作るのめんどくさいって思ってっから彼女はいない。

 作らなかった。

 やる女は腐るほどいる。

 セフレは風花。

 そんなオレが恋に落ちちゃったわけ。(笑)

 放課後、オレは杏里に声をかけた。

「ねぇ、オレと一緒に帰んない?」

 杏里は、

「いいよ。」

 って言った。

 内心、やったあ~っ!

 なんて、超うかれまくりだったけど、オレはクールぶった。

「じゃ、行こっか。」

 遠くから見てたケンタが悔しがってた。

 風花は黙ってガン見してる。(笑)

 オレは杏里の横顔に見とれてた。

 どの角度から見ても完璧すぎだぜ!

「ねぇ、ところで名前は?」

「えっ? あっそっか、忘れてた。

 オレは水原 京。」

「水原くん・・・。

 あなたが水原くんかあ・・・。

 何?

 どしたん?

 みんながさあ、水原くんには注意しろって言ってたから。

 水原くん女の子に手を出すのが早くてチャラいって聞いてたから・・・。」

「ええーーーっ!

 誰だよ。

 そんな事言う奴ーーっ!

 てゆーか。

 それは違うからね。

 違うって?」

 杏里はじっとオレの目を見た。

 「えっと・・・。

 まだ本気の恋に落ちてないだけって事だよ。

 つまり本気の恋に落ちちゃったのが今で。

 あのさ、杏里ちゃんに恋しちゃったみたいなんだ・・・。」

 なんだか良くわかんねーいいわけだけど しかたがない。

 杏里はしばらく沈黙の後、こう言った。

「あたしまだ誰とも恋をした事がないんだっ。」

「えっ?

 マジ?

 杏里ちゃん可愛いから彼氏なんてすぐ出来るっしょ?」

「そんな事ないよー、彼氏なんていないし、 あたしなんて全然モテないよー。」

 やったあーーっ!

 オレは一人で浮かれてたんだ。

 そして、

「杏里ちゃん、もし良かったらこんなオレと付き合ってくれないかな?」

 人生初の告白ってやつをしたわけだ。