Caramel Rocket             (キャラメル ロケット)

 これは何かの間違いとか?

 誰かのイタズラとか?

 風花は立ち止まったままだ。

「俺と一緒に帰る?」

「そうだよ?

 嫌ならいいけどって、あれ?

 風花さんと一緒だったんだあ。

 お邪魔だったね。

 ごめんなさいっ!

 やっぱりやめとくねっ!

 じゃあまたね~~っ!」

「ああああ、杏里ちゃーんっ!

 ちょっと待って~~っ!」

 俺は杏里ちゃんを追いかけた。

「えっ?

 なあにっ?」

「一緒に帰ろう!

 絶対に何があっても地球が滅亡しても帰るからっ!」

 なんじゃそりゃ?

 自分で言ってる事がかなり可笑しいだろーがよー?

 そんな事言ってられっかっつーの。

 こんなチャンスないぜ。

 杏里ちゃんが俺を誘ったんだぜ?

 杏里ちゃんは、振り返った。

 そして小さい声で、

「いいの?

 風花さん・・・。」

「いいの、 いいの。

 全然いいのっ!」

 俺は超ハイテンションで舞い上がった。

 風花は、杏里ちゃんを見ると、

「あたしと水原君は体の相性がバッチリで何回もエッチしまくってて、お互いに離れなんない仲なのよね。

 バンバンやりまくってるし、つまりあたしと水原君はラブラブ・・・。」

「違うってばっ!」

 俺は風花の話を割った。

「ただのセフレで杏里ちゃんが嫌なら今すぐこいつとはジ・エンド。

 つまり別れるからっ!」

 俺ってばめちゃカッコよくね?

「はあ?」

 風花の眉間にシワがよってるし。

「えっと・・・、あたし、ただなんとなく水原君とお話しとかしてみたいなって思っただけで深い意味はないの。

 だから2人ラブラブでいいと思うし、あたしの為に風花さんと別れる必要なんて全然ないからっ!

 なんかごめんなさい。

 あたしもう行くね?」

「ええっ?

 杏里ちゃん、じゃあ今日は・・・?」

「風花さんと仲良くね。

 バイバイっ!」

 そう言うと、杏里ちゃんは教室に向かって走ってった。

 ガアーーーーン!

 俺はその場で倒れた。

 杏里ちゃん・・・。

 ううっ・・・。

 せっかくのチャンスが・・・。

 倒れたままの俺の耳元で風花がささやいた。

「ほーらね、あたしと水原君は離れらんない運命なのっ!」

 そして俺の股間を触る。

 チキショー!

 だんだん硬くなってるし~~っ!