父ちゃんはトラックの運転手。

 たまにしか家に帰ってこね~。

 父ちゃんも元ヤン。(笑)

 つまり、オレの親は元ヤン同士のデキ婚だぜ!

 さあ、学校行こっ。(笑)

「よっ! 京。

 お前なんだかスッキリした顔してるなあ。

 もしかして、抜いた?」

 幼なじみのケンタが笑った。

「お前と一緒にすんな。

 オレはバーチャルで抜いたんじゃねー。

 エッチしたんだよっ。」
 
 ケンタはニヤニヤしながら、

「どうせ風花とだろ?

 風花のやつこの間、長田先輩とアオカンしてたって噂だぜ。

 オレも風花とやりて~しっ!」

「お前は断られたじゃん。(笑)」

「笑うな~っ!」

 風花はこの街じゃ知らない奴がいないって存在だ。

 つまり、ヤ○マンって事でさ、誰とでも簡単にやっちゃうわけ。(笑)

 そんな風花でもケンタは無理ってのはなんでだろ?

 ケンタはガキっぽくって弟とやるみたいで無理っ!

 これが風花の見解。(笑)

 オレのクラスのほとんどが風花にお世話になってる。(笑)

 人類みな兄弟って事でいんじゃね?

 そんなある日、いきなりオレらのクラスに転校生。

 それも、超~可愛い女子が現れたから、もうテンション上がりっぱだぜ。

「皆に紹介するのが、紅林杏里さん。

 東京から来た転校生だ。」

 オレだけじゃないぜ!

 クラスの男子全員がドッカーンだな。(笑)

 休み時間になると、どいつもこいつも紅林杏里のそばから離れなくなった。

 東京から来たってだけでまるで芸能人みたいに見えるし。

 それよりなにより紅林杏里はめちゃあか抜けてる。

 こんな女田舎にはいないぜ!

「なんで?

 こんなド田舎に来たの~?」

 ケンタがデレデレしてる。

「お婆ちゃんちにあたしだけ行く事になっちゃったの。

 親が離婚しちゃって・・・。」

 杏里はウルウルした目でケンタを見た。

「杏里ちゃんっ!

 何かあったらオレにどんどん言っちゃって~。

 オレは君を守るっ!」

 ケンタずるいし。

「オレを彼氏にしてくださいっ!」

 クラスで一番真面目な空(そら)まで、杏里に夢中になってるし。

 そんな男子らを飽きれた顔して女子らが見てた。