「バーーーカっ!

 あたしをバカにしすぎじゃんよっ!」

 風花は泣きながら教室を飛び出してった。

「酷い~っ。

 酷くない?」

 女子らがざわめく。

「水原君てちょっと調子こいてるよねーっ!

 モテるからってチャラすぎるし。

 ヤリチンじゃん!」

 あちこちから女子らのバッシングビームが当たりまくりだ。

 え~っ!

 なんでたぁ~っ!

 しょうがねー。

 俺は風花を追いかけた。

「オイッ!」

 担任と廊下で出くわした。

「どこ行くんだ?

 授業始まるぞっ。」

「ちょっとマジ、急用っ!」

 俺はとにかく風花を探すしかねーんだっ。

 風花のやつ、どこにいんだよっ?

とその時、俺の携帯が鳴った。

 風花じゃんっ!

「もしもし~?

 風花?

 どこにいんだよっ?」

 俺はいつになくマジ焦った。

 風花があんな風に泣くなんてのは初めてだったからだ。

「水原君・・・。

 心配とかしてくれてるの?」

「当たり前じゃん。

 どこにいるんだよっ?」

「神社だよ。」

「神社?

 なんで神社にいるんだあ?

 とにかく行くわ。」

 今日の俺はなんだかランナーだ。

 朝飯抜きのくせして走りっぱじゃん。

 てか神社って?

 とりあえず神社に向かって走り出すっきゃないでしょ?

「ハアハアハアハア。

 めちゃダルイぜ!」

 俺は息を切らしながら境内を上がり階段に座り込んだ。

「水原君・・・。」

 風花が鳥居を潜って俺の隣に座った。

「ハアハアハアハア・・・。

 あのさ、

 ハアハア・・・。

 風花、さっきはゴメン。」

 しばらく黙ったまんまの風花がいきなり笑い出す。

「水原君ったら、なんか可愛い~っ!

 あたしがあんな事で落ちてるとかってマジで思ってるわけぇ?」

「はあ?」

「そうでもしたら追いかけて来てくれるんじゃないかって?

 ちょっぴり期待とかしてみただけじゃん?

 でも嬉しい~。

 風花の事追いかけて来てくれたんだ?」

 俺はなんかどっと疲れた・・・。

「ねぇ、水原君。

 風花、なんだかとってもやりたい気分なんだけどぉ~?」

 やっぱこいつはエロクィーンだっ!

 チキショー。

 またこいつの手口にまんまとやられちまいそうじゃんかっ!てかやられたし。(笑)