世間じゃ、手がめちゃ早いって有名みたいなオレが、なかなか落とせないのが、紅林杏里(くればやしあんり)。

 彼女を初めて見たのが中3の春。

 いきなり転校して来た彼女は、まるでエンジェルだった。

 オレはもう舞い上がった。

 あまりにも可愛いからさ。

 オレの住む街は超ド田舎で駅は無人だし コンビニなんて一軒しかないし、とにかくとんでもね~田舎なわけだ。

 こんなド田舎にいるから、やる事なんて限られてくるわけ。(笑)

 田舎のくせして、一応チャラっぽい奴とかギャルもいたりするけど、やっぱいまいちあか抜けてないわけ。(笑)

 けど、それなりに頑張っちゃってたりしてっから、モテる奴はモテんだよ。

 そのモテる奴ってのが、このオレだけどね。(笑)

「水原く~んっ!」

「やべっ、風花だっ。」

「ちょっとぉ~、なんで逃げんのよぉ~っ!」

 風花は田舎のコギャルだ。

 こいつにはみんなお世話になってっから邪険には出来ないんだけどね・・・。

「水原君、今晩うち来ない?

誰もいないんだ。

 ねぇ、いいじゃん。

 楽しもうよ~。」

 風花がオレの手をひっぱって自分の胸に押し付けた。

 こいつはやっぱエロいな。(笑)

「どーしょ・・・。(笑)

 まっ、いっか。

 OK~。行くよ。」

 風花のつけまがズレまくってた。

 その夜、オレは風花んちに行って3回もやっちゃった。(笑)

 まあ、いいじゃん。

 朝になる前にズラかるぜ!

 てゆーか、風花はよく見たら綺麗なんだけど、彼女にしたいとか思った事はないね。

 だって、こいつは超軽いから。

 そんな女を自分の彼女にしたいなんて奴は、あんまいねーだろ?

 自分が遊んでても女に遊ばれるのはやっぱ気分良くねーし。(笑)

 オレはそっと抜け出した。

 風花は爆睡しながらオレの名前を読んでたぜ。

「眠いっ・・・。」

 今日、学校ブッチしょっかな?

 なんて思って、

「母ちゃん、なんかオレ頭いたいんだけど風邪引いたんかも、休んでいい?」

「ばか言ってんじゃないよ。

あんた、朝帰りしてるだろ。

このスケベ!

学校行け学校っ!」

 うちの母ちゃん元ヤン、レディースの総長。

 こんな田舎にも族があったりする。(笑)