ハーブティーを一口飲むと、体の中からスッキリした気分になる。

「スコーンは生クリームとイチゴのジャム、そしてチョコクリームでお召し上がりください」

「はい。あのこっちの茶色のはココアですか?」

「ええ。プレーンとココアをご用意いたしました」

彼女はプレーンのスコーンにイチゴジャムを付けて、頬張った。

「このスコーンも美味しい! ジャムも美味しいですね」

「ありがとうございます。ハーブティーはおかわり自由ですので」

「分かりました」

彼女はしばし時間を忘れ、スコーンとハーブティーを楽しんだ。

やがてスコーンを食べ終え、ハーブティーも最後の一口を飲み干したところで、再びため息が出た。

「ありがとうございました。美味しかったです」

「いえ、こちらこそ」

青年は微笑み、食器を片付けた。

「ところでお客様」

「はい?」

「お客様のお望みになる品物は、何でしょう?」

「えっ…?」

彼女は眼を見開き、青年を見上げた。

青年は変わらず笑みを浮かべ続ける。

「当店には、心よりお客様が望むモノしか置いてありません。つまり、お客様が強い望みを持つ方だということです」

「わたしの…望み…」