「マジか?

 誰かが中で死んでるんじゃねーか?」

 なんだかやけに慌ただしい・・・。

「店員呼ぼうぜーっ!」

 えっ!

 マジで?

 ヤバイじゃーんっ!

 俺はトイレのドアをそっと開けると店員を呼びに行くガテン系のヤンキー野郎に気付かれない様に陳列してあるエロ本を立ち読みするふりをした。

「何回もノックしてんのに開かねーんだっ!」

「はあ、そうですか。

 それはおかしいですねー。」

 店員とガテン系の2人がトイレの前に立つ。

「あれっ?」

 店員が2人を見ると、

「ドア空いてますよ。

 誰も入っていませんけど・・・?」

ってつぶやいた。

 ガテン野郎の1人が、

「おかしいぜ?

 さっき、何回も開けようとしても開かねーし、ノックしても無反応だしよ~~っ!」

「でも・・・、誰もいませんけど・・・。」

「俺が嘘ついてって言いたいんかよ~~っ!」

「い、いえ、違いますけど~~っ。」

「なんだこのヤロウ~~っ!

 さっきは開なかったんだっ!」

 なんだかわかんないけど、このどさくさ紛れて逃げ出すとするか。(笑)

 俺はエロ本をもとに戻すとコンビニを出た。

 なんかドップリ疲れたし・・・。

 取り合えず辺りを見回す。

 香南も未来もいねー。

 ふっ。(笑)

 マヌケだなアイツら。(笑)

 その頃、2人は・・・。

「ちょっと、あんたなんで、まだあたしの後つけてるわけ~~?」

「あのさー、香南ちゃんの事がマジってゆーかさー、なんかこうグッ!ときちまってさー、つまり俺と付き合ってくれないかなあーなんちゃってー。(笑)」

「はあ?

 無理っ!

 あんたにまったく興味ないし、あたしは先輩が好きなのっ!

 ついてくんなジャマっ!」

「でもさー、冬馬はさー、めちゃ好きな女がいるみたいだし諦めて俺と付き合ってよ~~っ!

 それに冬馬が俺にくれるって香南ちゃんの事っ。」

「はあああああ?

 バカじゃないの?

 てゆーか、あたし先輩が付き合ってる女知ってんだけどっ!

 先輩とその女は絶対に一緒になんかなれないんだからね~~。

 だって!」

「えっ?

 知ってるの?

 冬馬の女知ってるの?

 てかなんで?」

「あんたに関係ないしっ!

 バイバイっ!

 先輩~~っ!」