教室に入るとカバンをドカッ!と放り投げた。

 頭をかかえた俺は、とにかくレイラの誤解をとかないとダメだろ~~と必死でレイラにメールを送信しまくった。

《あのさ~~、あいつの言った事、もしかして信じちゃってるわけ?

 絶対にありえないから。( ̄∇ ̄*)ゞ

 てか先生、今日会えない?》

 てか返事が帰ってこないし~~。

 あーあ、やっぱマズイよな・・・。

 HRの時間、教室の戸が開いた。

 マズイ・・・。

 なんかマズイ・・・。

 レイラはまったく目を合わせてくんね~~。

 てか目がまっ赤だし。

 この人、めちゃ分かりやすいわ。

 泣いてたんだ・・・。

 あーあ、香南のヤローどーしてくれるんだっつーの?

「では、終ります。

 起立~~。

 礼~~。

 着席~~。」

 キーン、コーン、カーン、コーン。

 俺は教室を出てくレイラを追いかけた。

 先生~~。

「ちょっと待ってよ~~っ!」

 レイラは振り返った。」

「どうしたの?

 矢吹君?」

 まっ赤なのは目だけじゃない。

 鼻もまっ赤だよ。

 あー、つまり鼻噛みまくりだね。

 こんなに泣かしたのは~~。

 こんなに悲しませたのは~~。

 俺だっ・・・。

 俺はレイラの目をじっと見つめる。

 いつになくシリアスぶった。

「ねぇ?

 メール見た?

 先生、俺、先生の事裏切ってないからね。

 あいつの言ってる事、全部嘘だから。

 先生、俺の事信じてよ。

 ねぇ、先生・・・。」

 レイラはうつ向いた。

 廊下の床にポタポタ涙がこぼれまくってる。

「矢吹君・・・。

 こんなところでこんな話、誰かに聞かれたら大変だわ・・・。

 でもね、私、やっぱり正直ショックだったの・・・。

 ごめんね。

 私ったら、なんで泣いちゃうのかしらね・・・。

 大人げないわね。

 わかったから・・・。

 もう疑ったりしない。」

 そう言うと先生の眼鏡がずり落ちそうになって、先生は必死でポケットからハンカチを取り出すと涙をふきまくる。

「ごめんね・・・、

 ごめんね・・・。」

 俺はそんなレイラを見てるのがたまんなくなった。

「なんで、先生があやまんだよ~~。

 先生っ!」

 つい俺はレイラを抱き締めた。