……は、い……?
言葉を理解するのに時間がかかった。
絵に、描かれる……?
この先輩は一体、何を考えているんだろう?と本気で不信に思ってしまった。
すると、周囲の一瞬の沈黙の後、ゆいちゃんが言った。
「わぁ、萱瀬先輩がナンパ……」
「断じて違うよゆいちゃん」
……コントのようだ……。
そこは置いておいて、私は萱瀬先輩の言葉を冷静に考えられなかった。
私は絵に描かれるどころか、写真ですらためらってしまうというのに、絵だなんて……。
「絵って……わっ私がモデルってことですか!?」
「そう。もしよければ放課後美術室に来てくれるかな?」
一度はためらったものの、先輩の顔はなぜか真剣で……。
断れない私の性格もあるけれど、その瞳の裏に何か理由がありそうだったので、私は先輩に応えることにした。



