「さっきと違うじゃん。
同情した?」

花幸は呆れたように、けれど、どこか悲しむように言ってきた。

「…わかんねぇ」

これが正直なところ。

それから沈黙が続いた。


沈黙を破いたのが体温計の音だった。

「39.5だって」