【完】君しかいらない

あたしを乗せたまま安元くんが立ち上がり、またゆっくりと歩きだす。


「ゴメンね…重いよね」


「全然?軽いじゃん」


重いから痩せろとかって憎まれ口たたいてくるかと思ったら、そんな風に言われてまた少し調子が狂う。


軽いわけないのに…。


次にかける言葉が見つからなくって困ってたら…。






…あっ、電話だ。


カバンの中で、あたしのケータイが鳴ってる。


「…電話、出ねーの?」


「出てもいいかな…」


「おー。俺のことは、気にすんなって」


この体勢のまま電話に出るか迷ったんだけど、結局あたしはカバンのサイドポケットからケータイを取り出して、耳にあてた。