【完】君しかいらない

「あたし…行かない」



「そっか……」



安元くんは、穏やかな表情で軽く空を見上げる。



あたしもそれに合わせるように、視線を上げた。



今日は快晴。



雲ひとつない、抜けるような青空が眩しい。



あたし…



1年半前までは、ずっと下を向いて歩いてきたような気がする。



だけど今は、違う。



もう、過去は振り返らない。



そう…決めたの。











「ねぇ、安元くん。今からどこか寄って帰ろうよ」



空から視線を戻し、思い切ってそう言ったとき…



あたしの隣に、



安元くんはいなかった。



…あれっ!?どこに行ったの?