~未来☆side~

8年前…。

当時小学2年生だった私は、普通に小学校に通っていた。

あの頃はまだ、普通の子だった。

友達も、凛・蓮・海斗以外にも沢山いたし、"人見知り"ではなかった。

これからも、あのまま普通の生活を送るはずだったんだ…。


あの日、私はお母さんにお使いを頼まれていた。

いつもはあの3人の誰かしらと一緒に行くのだが、あの日はたまたまみんな用事があり、私は1人で行った。

海斗に一緒に行こうと頼んで、断られた時海斗は、

海「ゴメンね?
僕行けないし、1人は危ないから今日は行かない方がいいと思うよ?」

って言ったんだ。

でも私は、

未「大丈夫!
未来、1人でも大丈夫!」

って言ったんだ。

あの時、海斗の言うことを聞いとけば、こんなことにはならなかったはず…。


家を出てから、少し歩いたとこ。

家からお店までの距離の半分ぐらいまで来た時、後ろから知らない男の人3人に声をかけられた。

真白たちの教育が良かったためか、未来は着いて行こうとはしなかった。

目の前に大好きなお菓子を出されても、断った。

未来の行動にイライラしてきた3人は、無理矢理未来を連れていこうとした。

未来は危険を察し、すぐに逃げた。

未来は、家の方向に逃げた。

でも、相手は大人の男3人。

未来はまだ子供だ。

それも、小学2年生のか弱い女の子。

勝ち目なんて、これっぽっちもない。

すぐに捕まえられた。

そして、必死に抵抗する未来を押さえつけ、薬かなにかで未来を眠らせた。

意識が朦朧とする中、目の前にいた顔。

未来を押さえつけても、眠らせてもいなかった男。

見覚えがあった。

確かに、この辺の家に住んでいるなら、見たことはあるかもしれない。

でも、そんなんじゃない。

確かに見覚えがあったんだ…。

お母さんたちの、高校生の時の卒業アルバムに…。

未来の意識は、そこで途絶えた。