あの夜、バラの花びらが散る中で彼が見せた辛そうな顔。
どうして本当のことを言ってくれなかったの…
あなたは人殺しなんかじゃない。
なのにそれを信じられずに、私は酷いことを…
ごめんなさい、泰兄…
本当にごめんなさい…
「ほうら、真琴ちゃん。急いで」
「すみません…!ありがとうございます!」
私はエプロンを取ると、シトラスを飛び出した。
「泰輔に、死んだら許さんと俺が言ってたと伝えておけ!」
天宮先生の声が背後から追いかけてくる。
私は走った。
走って、走って…
ただひたすらに彼のもとに。
まっすぐ彼の胸にめがけて。
この愛を伝えるために…
どうか、どうか間に合いますように。
泰兄…!


