「真琴はそのことを知ってるのか」
「いや、あいつは何も知らない」
「だと思った。でなきゃ、おまえと付き合う事なんてあいつにはできない」
いつもは何でも寛容な天宮だったが、今日に限っては彼らしくない問い詰めるような言い方をしてきた。
「いつ打ち明けるつもりなんだ」
「近いうちには必ず」
「理解してくれると思うか」
「…わからない」
「まさかおまえたちがまた巡り会って、こういうことになるとは思ってもみなかったから言わなかったんだが…」
手に付いた白い砂を払う天宮。
その変な「間」が悪い知らせであることを予感させる。
「実は真琴のご両親はな…」
その内容に、俺が愕然としたのは言うまでもない。
なぁ、天宮。
神なんて本当にいるのか?
あんたはいつも見てくれてるなんて言ってるけど、だったらなぜだ?
なぜ俺にはその「愛」を与えてくれない?
俺はやっぱり、神なんていないと思う。
暗闇の中、手探りでやっと探し当てた光が…
また遠ざかっていくんだからな。
俺は神を信じない。
むしろ、今まで以上に神を恨む。
そして憎むだろう。


