店の片付けを終えた後、私はいつもの場所に向かう。
「泰兄」
彼に抱きつく瞬間が一番ほっとする。
今日一日頑張った自分へのご褒美。
「おまえ、勇作のことに関しては沸点が低いな」
珍しく彼がおかしそうに笑う。
「相手は酔っぱらいだ、すぐに頭に血がのぼってどうするんだ」
「だってお兄ちゃんのことあんなに言われたら黙ってられないわ」
お兄ちゃんは誰よりも優しくて、心の強い人なんだから。
侮辱するなんて絶対に許せない。
「こんなに血の気の多いやつだとは思わなかったな」
そう言って笑いながら、私のこの顎を持ち上げる。
目を閉じると同時に、少しタバコの匂いのする唇が重なった。
ねぇ、泰兄。
あなた、かっこよすぎる。
間違いなくあなたは「大人の男」。
私あなたに似合う女になれる?
早くあなたに追いつきたいの。
泰兄…大好きよ。


