そろりと中を伺うように覗こうと思っても保健室の扉はたてつけが悪いのか、軋んだ音を立ててしまう。

だからごめんなさいの意を込めながら「失礼します」と呟いた。

保健の先生は間の良いことに不在のようで、好機と言わんばかりに三神くんの“特等席”に向かう。

と言っても窓際のカーテンを手に掛け、様子を見るだけ。大丈夫か確認すればすぐに教室に帰る。


「……え」


そのつもりだった。つもりだっただけに予想外の事に固まってしまう。

今の季節だと、そろそろ温かいより暑いになる。


……なのにそこで眠る三神くんは毛布にくるまっていた。