「…………っ…」 鼻を啜る音が響く。 まだ電気はつかない。 これが停電だという 思考にいたるまで数分かかった。 「………はやく…ついて……」 こんなんなら 暗い所得意になっとけば良かった…… 「はなんっ!」 私は声のするほうを振り返る。 暗くて良く見えない。 けど、 「………そう?」 奏の声だった。 .