四季が雛子を連れて音楽科の教室に戻ってきたのを見て、音楽科の生徒は「え」と予想外の展開でも見るような顔をした。
「高遠さんと一緒に衣装作るって言ったし。教室で作ろうって言ったら来てくれた」
「四季くん、ひどいから!教室に戻るまでに、雛子が四季くんに『ひどーい』って何回言うか数えるって!」
「ほら5回目」
「ひどーい!」
「6回目ー」
何やら妙なノリツッコミの空気が出来上がってしまっている。
杏やほのかも思わず笑ってしまった。
「高遠さん、一緒に作ろ。やっぱり高遠さんもいないと淋しいし」
忍もなかば安堵したように、可笑しそうに雛子に言った。
「高遠さん、四季がこういう言い様になっているのって、ずいぶんよ。初めて見たわ」
「何よそれ!」
「良くも悪くも高遠さんだからってことよ」
座って、と忍は柔らかい調子で、空いている椅子にかけるよう、雛子に言った。
四季と忍が顔を揃えている輪の中に雛子が入っているのを見て、樹は胸を撫で下ろした。
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