Teennage Blue 上巻 (ティーンエイジ ブルー)

「あの・・・、あたしやっぱ帰るね。」

 あたしはなんか、いたたまれなくなっちゃったんだ。

「そうですか。

 じゃ、さよならっ!」

 妹が意地悪そうに笑った。

「何、言ってるの青?」

「夕月、妹さん熱があるんでしょ?

 ちゃんと見てあげなよ。

 あたし今日は帰るねっ。」

 玄関先であわただしく帰るあたしに、夕月があたしを呼ぶ声がしてたけど、振り返らずにあたしはエレベーターに乗るとそのままマンションを飛び出した。

 ほんとはさ・・・、追いかけて来てくれるんじゃないか?

 って少しだけ期待して何度も何度も振り返ったんだ。

 けど・・・。

 夕月は来なかった。

 バッカみたい。

 あたしってバカだ・・・。

 あの子・・・、夕月の妹・・・。

 夕月の事が好きなんだ・・・。

 あたしの事、きっと邪魔なんだろうな・・・・。

 てゆうか、大嫌いだろうな・・・・。

「あっ・・・、

 冷たっ・・・。

 雨だ。」

 ポツポツと降りだした雨。

 あたしは傘を持ってなかった。

 雲ってないのに何で・・・?

 太陽だって出てるじゃん?

 ポツポツがだんだん激しくなってきた。

「嫌だーっ!」

 あたしは走り出した。

 海岸線をダッシュで走るあたしを、勢いよく追い越すチャリに見覚えがあった。

 シャワーみたいに降りだした雨が目に入ってよく見えないけど・・・。

 懐かしい背中は変わんない・・・。

「おいっ!

 びしょ濡れじゃん。

 後ろ乗れよっ!」

 あたしは目に入った雨の雫を必死で擦りながら、その声がとっても嬉しかった。

「早く乗れって!」

 あたしはびしょ濡れの体で純にしがみついた。


 ギュッてしがみついた。

 なんだかよくわかんないけど涙が止まらなくなる。

 雨がどしゃ降りになって前が全然見えないけど、背中にギュッて捕まって泣いてるのを気付かれないようにしてた。

 雨のせいで涙はみんな流れてく・・・。

「チキショー、前が見えねーしっ!

てか、しっかり捕まっとけよ~~ っ!」

 久しぶりの純の背中・・・。

 もう、あたしの居場所じゃなくなっちゃったんだよね・・・。

 でも、なんでやろ。

 いつも純は現れる。

 あたしが困った時に必ず現れる。

 約束もなんもしてないのに・・・。