今週の日曜日、あたしたちの街で花火大会がある。

 真里菜からメールで

《わたしの彼氏とあんたと友夜の4人で、花火大会行こっ!》

て、誘いが来た。

《いいよっ、行く》

って、返信した。

 毎年、純と家族で見てた花火大会。

 今年は違う男の子と一緒に見るなんて、なんだか不思議だ。

《浴衣着てくから、あんたもそうしなよ。》

 浴衣かあー、もってないよー。

 あたしはお母さんに、

「浴衣着たいんだけど買ってくんないかな?」

 と、頼んで見た。

 お母さんは、あっさりOKしてくれた。

 あたしは真里菜に付き合ってもらい、近くのデパートでピンクの花模様の浴衣を選んでもらった。

約束の花火大会の日、あたし達は花火が始まるまでイベント広場で時間潰しをする事にした。

 色んな露店やダンスコンテストとかバンドのライヴとかあって、あたし達は、かき氷を食べたり、ゲームしたりしていた。

 綿菓子をくわえたまま、歩いていると真里菜の彼氏が、

「あれ?

 あいつ、純じゃねぇか?」

と、言った。

「えっ?」

 何気にそっちの方を見ると純が知らない女の子と肩を組んで、仲良さげに歩いてた。

 あたしはしばらく、立ち止まったままだった。

 純は金髪になってて、隣の女の子は見た事がないギャルな子だった。

 真里菜が、

「あの女知ってる!

 高校行ってたら1年だけど辞めたって、聞いてるからプーだよ。

 あの女サセコで有名な女じゃん。

 この間まで違う彼氏だったはずだよー。

 確かうちらの1個上の先輩と付き合ってたはずだよ。」

 あたしの目に映る純は、もうあたしの知ってる純じゃないんだって思った。

 真里菜の彼氏は、

「あいつって最近、悪い仲間とつるんでるらしいよねー。
 
 ヤンキーぽいって思ってたけど、話すと面白いしいい奴なんだけどね。
 
 てゆーか、あいつってさあ、青の元カレじゃね?」

「 ちょっとー、よけいなことをいちいち言うんじゃないよっ!」

 真里菜が彼氏の頭をこずいた。

 友夜は、

「大丈夫?

 あっち行こっか?」

 って、あたしの手を引っ張った。

 一瞬、純と目があったような気がしたけど、間違いだろうなってその時は思ってたど、純はちゃんとあたしの事に気がついてたんだ。