あたしはあっけに取られっぱなしだった。

 まっ、どうでもいいや。

 静かになった海にまた寝転んでた。

 星がめちゃ綺麗で見とれてた。

 友夜・・・。

 友夜は星を見たり出来るのかなあ?

 こんな綺麗な星空を1人で見てるのってもったいないよね・・・。

 天国にも夜があって綺麗な星空を見れたらいいね・・・。

 そう願ったら、流れ星がサッて一瞬の速さで消えた・・・。

 流れ星にお願い事なんて出来ないよ・・・。

 もう少しゆっくり流れてくれたらいいのに・・・。

 あたしは星空に元気をもらったような気がして嬉しかった。

 この時のあたしは、まだ、気がついてなかった。

 夕月との出会いがあたしにとってどんな意味があるのかを・・・。

 偶然出会った男の子・・・。

 そんな記憶でしかなかった夕月。

 あたしにとってかけがえのない人になるなんて・・・。

 思いもしなかったんだ。

 夕月はどうだったんだろう・・・。

 多分、同じだったんじゃないかな・・・。

 あたしは夕月にひかれてくなんて想像もしてなかったんだ・・・。

 だって、この時のあたしは、純にすべてを任せようって思い始めてたんだもん。

 そして純にも・・・。

 新たな出会いが訪れようとしてた。

 あたしと純は、いつもそうだ・・・。

 一緒にいようって、お互いに大事な相手で離れたくないって思うのに・・・。

 何かが必ず邪魔をする・・・。

 それが本当に邪魔なのかはわかんない・・・。

 ただ、なんとなくやけど、あたしと純は 一緒になれない運命なのかなあとか思ったりもした。

 運命なんてまだ中2のあたしが偉そうに語る言葉じゃないけど・・・。

 なんであたしと純は、いつも離れちゃうんだろう・・・。

 一緒にいたい。

 今度こそ離れたくないって思ったり、あたしの居場所が純なんだって確信するくせして離ればなれになっちゃうんだ・・・。

 それってなんでなんだろう・・・。

 あたしは星空を見上げながら、この先、起こる何かに全く気付くことなく、夜の海に浮かぶ船とか潮風の匂いとかが、ただ心地よくって 心がとても穏やかだった・・・。

 月明かりに照らされた防波堤でしばらく海を見た後、あたしは歩き出した・・・。

第2章 完