長まつげ・・・、あれっ? この子、口ピー有りなんやあ・・・。

 直視してるのが急にはずくなったあたしはあっちを向いた。

「僕、この街に引っ越して来たばっかでまだダチとかもいないし・・・。

 でも、あなたと会えて嬉しいです。

 変な事言ってごめんなさい。

 この海も、めちゃ綺麗でこの場所が最高に気に入っちゃいました。」

 あたしは、

「みんなこの海が大好きになるんだよね。

 あたしは小さい時からずっとこの海を見てる。

 なんか癒されるんだ・・・。

 救われるって言うか・・・。

 だからあたしはこの場所が大好きなんだっ!」

「僕も大好きになってきちゃいましたっ!

 海もあなたもっ!」

 燈台のライトが光り、最終便が飛ぶ飛行機は低空飛行で、なんだか気持ちよさげに飛んで行った。

 あたしの聞き違い?

 確かに、言ったよね?

 あたしの事が好きになったって・・・。

 マジかなあ?

 まさかね・・・。

 聞き間違えだよね・・・。

 あたしは知らんぷりした。

「お兄ちゃぁーーんっ!

 どこぉーー?」

 息を切られて現れたその女の子はとっても綺麗な女の子だった。

「蘭っ!

 お兄ちゃん、今日パパが帰ってるからみんなで外食だって言ったじゃんっ!

 もう、パパもママもお兄ちゃん帰って来るの待ってるよー?」

「蘭、悪いけどパスさせてっ。」

「お兄ちゃんが行かないんなら蘭も行かないっ!」

「それはダメだって。

 蘭は父さんに会えるの楽しみにしてたんだから、行かないとダメだよ。

 いきなり現れたこの女の子は彼の妹…?

と、いきなり女の子はあたしを見ると、

「うちのお兄ちゃんとこんなとこで何してたんですか?

 うちのお兄ちゃんにあんまり馴れ馴れしくしないでもらえますか?

 近づかないで欲しいんで、よろしくお願いしますっ!

 行こっ、お兄ちゃん!」

 あたしはただポカーンとしたまま、この2人を見てた。

「蘭っ!

1人で帰れよっ!」

「絶対帰んないっ!

お兄ちゃんと一緒にいるからっ!」

「仕方がないなあ・・・。

 じゃあ帰るよ・・・。

 すいません。

 僕、先に帰ります。

 おやすみなさいっ。

 蘭、いくぞっ!」

「お兄ちゃんー?

 あの人と何してたの?

 ねー、あの人誰?」