あたしの目の前にあるのは・・・、
友夜が大好きだったELLEGADENのCD。

 あたしら中を開けて見ると、

 Missingって曲目のところにブルーラインが引いてあった。

 ♪間違って、

 少し失って、

 さまよっては、

 君に出会って、

 笑ったこと。

 思い出して、

 Missing♪

 あたしはその歌詞を何度も何度も繰り返しつぶやく・・・。

 そして、CDを聴く。

 始まりからもう涙がとまんなくなる。

 友夜・・・。

 あたし、前を向いて歩いてくから。

 見てて。

 ちゃんと歩いてくから・・・。

 遠くから見てて・・・。

 あたしは、窓を開けて空を見上げた。

 今日もいい天気だよ。

 「青~ っ!

  純君が迎えに来たよ~っ!」

 あたしは制服に着替えると、2階の部屋から勢いよく飛び出した。

「おはっ!」

 純が眠そうに目をこする。

「純~?

 どーしたん?

 眠いん?

 また夜中にエッチなDVD見てたんやろ?」

 あたしは笑いながら純を見る。

「バカか?

 お前の事考えてたらなかなか眠れんだだけやっ!」

「はあ?

 あたしの事って、何?」

「まあ、色々だっ。

 そんな事より学校いくぞっ!」

 なんかおかしい。(笑)

 サボりまくりの純が学校いくなんて笑っちゃうよ・・・。

「てか急げって。

 めちゃ遅刻じゃん?

 え~、お腹すいたよ~っ!」

「お前、飯食うつもりか?

 バカじゃね?

 遅刻だってんだろーがよ?」

「でもお腹すいて歩けないよー。」

「はあ?

 お前、今めちゃハイテンションで下りてきたじゃん?

 しかたねーなっ。

 俺のパンやっから、とにかく急げっ!」

 あたしは純の大好物のジャムパンをGETし、純のチャリの後ろに乗った。

「しっかり捕まってろよっ?」

「うん。」

 朝からなんて元気なのー?」

「バカヤロー、お前の為にがんばってんだろーが。(笑)」

「純・・・。

 ありがとっ。」

「何?

 なんか言った?」

「なんでもなーいっ!」

 あたしは純の背中にギュッてしがみ付く。

 純は笑ってた。

 こんな光景は、当たり前にあったよね・・・。