純が、

「ビール飲みて~。」

 って、言いながらコーラを一気飲みする。

「ビール?

 あんたビール飲むん?」

「はあ?

 何を今さら小6ん時から飲んでっけど?」

「ふーん、おいしい?」

「ウマイに決まってんだろ?」

 なんか、純は大人かもって思った。

 そう言えばなんとなくだけど顔立ちが男っぽく見える時がたまにある。

 ちょっと前までは、生意気そうな男の子って感じだったのにな・・・。

 なんだか置いてきぼりにされたような複雑な気持ちになる。

 いつものようにポケットからタバコを出して吸いだす姿もぎこちなく見えないし 慣れた感じで、純がやっぱ自分とだんだん違うんだなあとか、今さら思った。

 そんな事を考えてると、あたしと純の前にリサが現れた。

「えっ?

どしたん?」

 純がリサを見る。

「どしたん?って、海、見にきただけやけど?」

 純がなんだか落ち着かない様子だ。

「ちょっといい?」

 リサがあたしに話しかける。

「うん。」

「あのさー、友夜の事であんたに伝えておきたい事があるんだ。」

 あたしの顔が一瞬、曇った。

「リサっ!

 友夜の話はやめとけっ!」

 純がリサを睨む。

 あたしは、

「いいよ、何?

 友夜がどうかした?」

 リサがあたしの隣に座ると、

「あのさ、実は前にあんたと海で会って話たじゃん?

 あの後、友夜に会ったんだ。

 あたしとあんたが海にいた時、友夜はいたんだよ。

 あんたの事、探しにきてたんだよ・・・。

 でもあんたに会うのをためらって、あんたとバイバイした帰り、あたしは友夜に出くわしたんだ。

 そしてその日に、あたしらはお互いの寂しさを忘れるためだけの1回っきりのエッチをしたってわけ・・・。

 でもそれって愛とかないわけじゃん?

 なんか虚しいだけで、お互い凄く後悔したんだ。

 友夜は、あたしなんて全然見てないんだ。

 ずっとあんたの名前ばっか呼んでて、最後は泣いてた・・・。

 で、その事は全部忘れてって言われて
さ。

 こいつはほんとにあんたが好きなんだなってなんかあんたが羨ましかった・・・。

 なんてゆーか、友夜ってあたしと似てる気がしてなんなかった。

 よくわかんないけど凄く似てるって思った。

 そんな事があった後に、友夜は逝っちゃったんだ・・・。