「いつまでも引き込もってんじゃねーよ。

バーカっ!」

 勢いよく部屋のドアを蹴りまくって純が入ってきた。

 ベッドの中に潜り込んだまんまのあたしは黙ったまま・・・。

 そしたら、純がベッドの中に入って来た。

「なーんか、俺らやべーよなー。

 こんなん、お前んちの母ちゃんに見られたら、激怒されるぜ。(笑)

 てゆーか、なんだ?

 あんたらそうゆう事?

 みたいな?

 まっ、やべーよな。(笑)」

 純があたしの手を強く握る。

「なあ、青・・・、もういーんじゃねえか?

 もう笑えよ。

 友夜はお前の笑ってるとことかが好きやったんじゃねぇの?

 もう充分じゃね?

 お前充分、辛いめにあったし悲しんだじゃん?

 もう充分だって・・・。」

 純が握った手を自分の胸の上に置くと、

「俺ってば超バカでスケベで頭悪いしイカれてっけど頼りになんないってわけでもないぜ?

 ほら、俺ってばモテるじゃん?

 俺の事狙ってる女はたくさんいるわけさ。

 でもそのモテまくりの俺を独り占めに出来るのはお前っきゃいねーんだぜ?

 これってマジ凄くね?

 頼むから青・・・、ガキん時みたいに笑えよ。

 俺にはお前が元気でいてくれないとやっぱハートの部分が痛てーんだっ!

 友夜の事、引きずっててもいいから。

 俺の事、もっと頼ってくれよ・・・。」

 あたしは目を閉じたまま涙が溢れるのを感じてた。

 そして純の手を握り返した。

「あたし・・・、海が見たいよ・・・。」

「青っ!

 着替えろっ!

 今から海見に行くぞっ!」

「えっ?

 今から?」

「あったり前じゃん?

 有言実行だろーが?」

「有言実行?

 あんたそんな難しい言葉いつのまに覚えたの?」

「バカヤロー、俺はバカのふりをしてるだけでほんとはめちゃ頭がいいんだぜっ!」

「はあ…?」

 なんか自然に笑えてるし・・・。

 純も笑ってた。

「わかったよ。

 着替えるから外に出ててっ!」

「あっ?

 なんでいちいち外に出てなきゃいけねーんだ?

 ここにいるし。」

「バカじゃないの?

 外に出ててっ!」

 あたしは純を追い出した。

 パジャマを脱いで、着替えるとあたしは純のこぐチャリの後ろに乗って海へと向かった。