友夜はリサを抱きながら、ずっと青を思ってた。

 青・・・、青・・・。

 それでもリサは平気だった。

 痛い位に気持ちがわかったから・・・。

 例え、誰かの代わりにされてたってかまわない。

 肌を触れ合う。

 キスを交わす。

 愛のないそんな関係にも、意味がないなんて思えない。

 それが間違いだとしても・・・。

 リサは友夜に抱かれながら、純を思った。

 お互いに違う相手を思いながら好きでも相手と抱き合う。

 あたりにも切なすぎた。

 リサは服を着ると友夜の無表情なままの横顔に涙が出そうになる。

 友夜は、

「ありがとう、そばにいてくれて・・・。

 でも、もう俺はおしまいかもしれない・・・。

 俺は自分勝手でわがままなんだよね。

 好きな子を大事にする事が出来なかったんだ。

 でも、俺には彼女がすべてだった。

 彼女の笑顔が大好きで誰にも渡したくなかったから・・・。

 俺は最低だよ・・・。

 ごめんね、君の事、彼女の代わりにしたんだ。

 今日の事は忘れて欲しい・・・。」

 リサは、友夜の髪に手をのばす。

「柔かな髪・・・。」

「そんなのわかってるよ。

 大丈夫。

 あたしも、あんたの事をあたしの大好きな奴の代わりにしたようなもんだから・・・。

 ねぇ、あたしたちって似てるんだと思う。

 好きな相手に好きって気持ちがうまく伝わらないんだよ・・・。

 あんた、青の彼氏やろ?

 あたしはその青の元カレにフラれたんだよね。

 あいつは青の事が大好きなんだよ。

 だから、あたしの入る隙なんて全然ないんだ。

 だから、あたしは諦めたんだ。」

 友夜はそれを静かに聞いていた。

 そして起き上がると、

「俺は青がいないとダメなんだ。

 青がいない世界に生きてる意味なんてないよ。

 おかしいだろ?

 自分でも笑っちゃうよ。

 こんな俺が、人をここまで好きになるなんて。

 思ってもみなかったから・・・。」

 友夜は頭を抱えてうずくまった。

 リサはもう何も言えなかった。

「あたし帰るね・・・。

 もし、あんたがめちゃ寂しくてどうしょうもないなら、あたしが慰めてあげるよ。」

 友夜が顔を上げると、こう言った。