なんで友夜といると悲しくなるんだろう・・・。

 考えちゃいけないのに、つい純の事が頭に浮かぶ。

 純といた時、あたしはいつも笑ってた。

 心の底から笑ってたんだ。

 そしてめちゃ楽しくてしあわせだった・・・。

 あたしはいつからこんなに泣き虫になっちゃったんやろ?

 あたしは友夜が好き・・・。

 本当に好きなの?

 同情してるんじゃないの?

 これって本当に好きって事なの?

 ほんの数分の事だった・・・。

 ほんとにほんのちょっと間の事・・・。

 いきなり、鈍い痛みが走った。

 そしてあたしは息が止まりそうになった。

 友夜はあたしの手首にナイフを当てるとゆっくりと滑らした。

 その瞬間まったく痛みはない。

 その数秒後に鈍い痛みが走ったのだ。

 2本の筋が出来てて血が滲んだ。

 「青…?

 なんで、すぐ裏切るの?

 今さ、俺以外の奴の事考えてたでしょ?

 それって裏切りじゃん?

 その相手って、純でしょ?

 俺にはわかるんだ。

 ねぇ?

 青、俺、マジで青殺すよ?

そん時は俺も一緒に死ぬけどねっ?」

 友夜はあたしを切ったナイフを自分の手首に押し付ける。

 友夜の手首から血が流れた。

「友夜っ!

 やめてよー!

 お願いだからぁ!

 もうやめてっ!」

 シーツの上にポタポタ落ちる血が鮮やか過ぎて目眩がした。

「なんで友夜は自分を傷つけるの?

 そんな事に何の意味もないよ?

 友夜、ごめんね。

 あたし友夜の事が好きだけど、こんなの理解する事なんてできないよ?

 そばにいたいし、好きだけど、傷つけあう事なんて意味がないよ?

 友夜、もう自分を傷つけるのやめてっ!」

 あたしは裸のまま友夜に抱きついた。

「お前が悪いんだ!

 お前がすぐに俺を裏切るからだろーがよっ!」

 友夜は部屋の鍵をかけると、あたしに殴りかかり、蹴りまくった。

「痛いっ、痛い・・・。」

 だんだん遠退く意識の中で、あたしは幻を見た。

 笑ってるあたしと純・・・。

 夕陽をみながら笑ってる。

 あたしたちはどうして離れちゃったんだろ・・・。

 友夜はあたしを散々殴ると、今度は抱きまくった。

 あたしは無抵抗なまま、なすがままだった。

 あたしの信じてた愛はこんな形なわけないよ・・・。