そしてあたしを強く抱きしめた。

 もうあたしは友夜のされるがまんまになってた。

 好きやもん、当たり前や・・・。

 自分に言い聞かせる。

 でも、自分の中で何故だかしらないけど 何かが間違ってるような気持ちがしてしょうがなかったんだ。

 そんなあたしの揺れる気持ちに友夜は気がついてた・・・。

「青、俺の事好き?」

「うん。」

「本当に好き?」

「うん。」

「嘘つくなよ!」

 いきなり友夜が大声で怒鳴った。

「さっきからなんか上の空じゃん。

 何か違う事考えてるだろ?

 純?

 俺に抱かれながら純の事考えてるだろっ!」

「違うよ、友夜。

 あたしは純の事なんか考えてないってば!」

「嘘ついたってわかんだよ!

 俺を裏切るつもりなの?

 青、頼むから純から離れろよ!」

 友夜はあたしの頬を何度も叩いた。

「痛いよ!

 友夜、痛いってば!」

「青が悪いんだ。

 すぐに俺から逃げようとするから。

 母さんと一緒だよ。

 青も母さんも一緒だっ!」

「友夜、何を言ってるの・・・?」

 友夜の目から涙がこぼれ、あたしの頬にポタポタ落ちる。

 もうダメだ・・・。

 あたしは友夜から離れられないよ・・・。

「友夜、あたしを信じてよ。

 あたしはどこにも行かない。

 絶対に行かない・・・。」

 叩かれながら必死で訴えた。

「ごめんね・・・。

 青、俺また青の事傷つけ。

 俺、頭がおかしいんかな・・・。

 自分で自分をコントロール出来ないみたいなんだ。

 痛かったよね?

 ごめん。

 今度、君を傷つけたら俺も自分を傷つけるよ。」

 友夜はあたしを抱きしめた・・・。

 友夜はこわれてる・・・。

 あたしは確信した。

 殴られた頬はまっ赤になってた。

 さっき友夜に純の事をまだ考えてるって言われて正直、息が止まるかと思ったんだ。

 本当はわかってたから・・・。

 友夜は敏感だ。

 友夜に嘘は通じない・・・。

 友夜にはあたしのわからない何かがある。

 あたしなはそれが何かはわかんないけど 友夜の事が愛しく思えた。

 それと同時に、友夜は本気でキレたらあたしを殺すかもしれないって思った・・・。

 何故だかわかんないけど、そう思えてならなかった・・・。