夏休みが始まり、純とバイバイして数日が過ぎ、あたしはまだ現実を受け入れらないまま、ボーっとしてた。

 友達が、どっか遊びに行こーって言っても上の空 。

 頭の中は純とあの人妻の事で一杯だった。
 
 
 こんな小さな町だもん・・・。

 どっかで出くわすかもしれない。

 中学生の行動範囲なんて、たかが知れてるもん。

 そう言えば、あいつ人妻とやったとか言ってたけど、あたしとあいつって、なーんもなかったな・・・。

 なんか友達のノリで付き合ってた感じやったから、1人で色々考えては落ち込んだ。

 なんで?

 なんで、あたしがこんな目に会わなくちゃいけないんやろ?

 
 こうして、あたし1人が落ち込んでる間に純と人妻はラブラブなわけやろ?

 こんな事してるわけにはいかないっ!

 私は友達の真里菜に電話した。

「パーッと遊ぼ!」

 その夜、真里菜んちへ行った。

 真里菜は中2の1学期から転校して来て、その前までは隣町のS中に行ってた。

 真里菜の家には、S中の女の子と男の子がいた。

 あたしは初対面で緊張しちゃったけど、すぐに仲良しになった。

 その中の1人の男の子が話しかけてきた。

 彼はスケボーとスノボとサーフィンしている男の子で、お父さんとサーフィンしに行ったりするって言うなんかタメにしちゃ、ちょっぴりクールな感じの男の子。

 あたしはなんだかとっても興味を持った。

 あたしの知らない世界を持ってる彼は、なんだか海の匂いがした。

 彼の名前は、上原 友夜(うえはら ともや)と言う。

 メアド交換して、その日は解散。

 その日の夜、真里菜からメールが来た。

《友夜、あんたの好みだったやろ?

 彼女いないよ。

 きっとあいつもあんたの事気に入ったと思うよっ。

 メールして見なよ!》

 あたしは迷った。
 
 

 まだ、純の事を完全に吹っ切れる自信は無かったし、やっぱまだ好きだから・・・。

 カッコ悪いけど、そう簡単に忘れられるわけないもん。

 どうしたらいいのか解んないまま、その日は友夜にメールせず、そのまま眠った。

 そしたら・・・。

 夢に純が出て来て、前みたいに2人でふざけたり笑ったりしてた。

 私は凄く楽しかった。